導入事例
独立行政法人国立病院機構 九州医療センター様
当院における循環器系動画像ネットワークシステムの特徴
- Photron製サーバ、ワークステーションについて -
独立行政法人国立病院機構 九州医療センターの森先生に執筆いただきました。
RadFan2008年3号からの転載分
導入製品
国立病院機構九州医療センター
循環器診断治療装置用の動画像サーバ
循環器動画像ネットワーク
動画像サーバ「Kada-Serve」
動画像ビューワ「Kada-View」
「Kada-View」の操作性は非常に快適である。Kadaインターフェース(図2)により、再生、停止、コマ送りはもとより、拡大縮小、移動、フィルタ処理などは、画面上に配置された9つのエリアをマウスでドラッグするだけの簡単操作で実現している。
循環器診断治療装置、血管内超音波装置、超音波診断装置などの動画像を快適に表示することができる。分割画面それぞれに画像を同時に表示し、同期再生も可能である。もちろん、異なる検査や装置の画像を同時に表示することも可能だ。IVUS 画像は、2つのプルバックを同時に表示ができる。長軸像の再構成も行え、1度刻みでできる切断面の指定に合わせて長軸像が同時に更新される。また、短軸像の回転ができるのは、方向合わせに便利である。心機能解析ソフト(Pie Medical Imaging社製CAAS)との連携が可能であり、画像の受け渡しがマウスだけで簡単にできる。
異なる装置の画像を表示する場合など、DICOM画像の情報から装置を判別し、自動的に画像処理調整が行われ、各装置間の画質の違いを一定に保てるのは、調整の手間がなく便利である。DICOM画像はBMP・JPEG・TIFFの静止画、AVI・WMV・MPEG形式の動画に変換でき、指定した範囲、ズームや再生スピードなども反映させた変換や、複数画像を表示した状態をそのまま1つの動画に変換する(図3)こともできるので、学会などのプレゼンテーション用データを簡単に作成できる。
さらに、端末内にサーバから取得したDICOM画像を保存できるので、事前に過去の検査画像を取得することにより、検査中のサーバへ検索する手間を軽減できる。取得したデータは、クリーンアップ機能により、検査数やデータ量、保存期間を指定して自動削除できる。DICOM CDの作成は、ビューワの添付を任意に指定でき、分割作成が可能である。CDを利用する端末にビューワがある場合、自動起動するビューワは、画像を開くまでに時間がかかるので、任意にビューワの添付を指定できると、利用する環境に合わせられるので便利な活用ができる。
サーバへの検索は、患者名、患者ID、検査ID、識別番号などによる検索に加えて、カレンダー検索機能により、マウスの1クリックで指定した検査日の検索ができる。また、ドラッグするだけで検査日の期間指定ができるのも便利である。検索結果はリストで表示され、項目による並べ替えや昇降順の指定もマウスのクリックで指定できる。検査リストから検査を探すことも大変簡単にできる。サーバに静止画を送信する場合には、画像の自動判別による転送確認機能が有効である。静止画だけを送信する際に、アンギオ装置、IVUS装置の動画像などデータ量が大きい動画像データは、転送時に自動で除外することができる。
結語
フォトロン メディカル イメージング社製「Kada-Solution」はクライアントPCの選択(デスクトップ、ノートなど)の自由度が高く、必要に応じた適切なシステムを構築でき、かつ導入コストも低く抑えられる。また、1000BASEのLAN構築を行えば、DICOM データそのままにノートPC 1つであらゆる場所での画像閲覧、レポート作成、プレゼンテーション、患者説明等が行えるなど利便性に富む。さらに、「Kada-View」・「Kada-Serve」の良さは、その卓越した操作性と高速性にある。説明書がなくともストレスなく直感的に操作可能である。また、サポート体制も充実しており、現在導入2年間を経過したが機能には全く不満なく、トラブルの心配もなく使用している。新規導入施設には是非ともお勧めしたい。